『白バラは死なず』 − Die Weiße Rose -
Michael Verhoeven 監督(1982年・西独)

鑑賞するには  借りられるもの  感想  追加情報

鑑賞するには

レンタル店でこの映画を見つけることは難しいようです。『東京ドイツ文化センター(Goethe-Institut Tokyo)』にならあるかもしれないとの情報をいただき、こちらの図書館でお聞きしたところ、この映画の紹介ビデオがあることがわかりました。

紹介ビデオとはいえ、映画は全て収められているようです。話がある程度進んでいくと映画がいったん止まって、司会(解説者?)風の人物2名がコメントのようなものを言い、さらにインゲ・ショルのインタヴュー(!)映像も挿入されています。「白バラ」目的でこの映画を観ようと思われた方には充分満足のいくビデオだと思います。ただし、(私には大問題だったのですが)日本語字幕が無いので、ドイツ語のわかる方でないと、観た、というより見た、眺めた、になってしまいます。

ビデオのケースには『©Goethe-Institut, München und Sveriges Utbildningsradio AB, Stockholm 1996』と表示されていました。タイトルは『Die Geschwister Scholl und der Film DIE WEISSE ROSE』となっています。『ショル兄妹と映画「白バラ」』って感じでしょうか?

ビデオを借りるには、まず東京ドイツ文化センター内の図書館で貸し出し年間登録をします。図書館にあった案内には以下のように書かれていました(2001年7月現在)。
図書館のご利用について

貸し出し年間登録料  3,000円
(登録の際、住所の確認の出来るものを提示して頂きます。)

書籍  10冊まで
貸し出し期間  4週間

その他のもの(CD、ビデオ、雑誌等)  各5点まで
貸し出し期間  2週間

電話、ファックス、Eメール等による貸し出し延長可能
コピー1枚30円
閲覧は自由です。

開館時間 :  火曜〜金曜日  14時〜19時
          土曜日  13時〜17時

  * 図書館閉館時の返却について
     図書館入り口前の返却籠に入れて頂くか、
     あるいは3階の受付にお預けください。

Goethe-Institut Tokyo
東京ドイツ文化センター/図書館

TEL:  03-3584-3203
FAX:  03-3586-3069
062@tokyo.goethe.org
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/jaindex.htm
登録料がかかるだけで、貸し出しは無料でした。
東京ドイツ文化センターへは地下鉄銀座線・半蔵門線・大江戸線の「青山一丁目」駅が一番近いと思います。青山通りを赤坂見附方面へ歩いて徒歩5分くらい?カナダ大使館前を過ぎて、公園(高橋是清翁記念公園)と草月会館の間の細い道に入っていくと東京ドイツ文化センターが見えてきます。詳細は上記URLの公式サイトでご確認ください。

借りられるもの 

職員の方に、映画のタイトルと監督名を書いたメモをお渡しして探して頂いたところ、ビデオ他の入った少々大きめのケースを持ってきてくださり、そのケースごと貸して下さいました(私は初めから職員の方を頼ってしまいました。本当は棚などへ行き自分で探し出すべきものなのかも・・・)。
ケースの中には、
  1. 白バラ紹介ビデオ 計2本(それぞれ約1時間)
  2. カセットテープ 1本(約10分)
  3. ビデオのパンフレット(映画のパンフレットではありません。ビデオを教材として使用する際の冊子(A4サイズ)のようです。)
が入っていました。

感想 

ビデオは、映画を4部に分け(1.ゾフィーがミュンヘンにやって来たところからビラとハンスとの関係に気づき地下室に乗り込むところまで。2.地下室でのビラ作りを目撃したところからハンスらがロシアへ出発するところまで。3.ゾフィーの勤労奉仕とハンスらのロシア前線の様子からギースラーの女子学生侮辱演説まで。4.ヴィリー、ゾフィーらが第5のビラを持ち各地へ散るところから逮捕、処刑まで。)、間に解説とインゲ・ショルのインタヴューをはさんでいます。

私が注目したのは「2月の深夜の落書」で、本によって「タール」「白ペンキ」「壁に黒々と反ナチスの文字」など様々なのですが、この映画では「白ペンキ」でした。また、ビラのための紙をゾフィーが大学(?)の備品棚から盗む様子などが興味深かったです。白バラの資金は初め主にアレックスが出し、後にハンスと二人で資金提供者探しをしたりしていますが、物資不足のミュンヘンではこういうことも実際あったかも、と思わせる描写でした。

それと、謄写版印刷機。映画では、ローラーで一枚ずつ印刷していくものではなく、手動輪転機のようなものを使っていました。初期のビラはともかく、第5、第6のビラは短期間に千枚以上でしたから印刷作業をどのようにしていたのか疑問に思っていたのですが、この機械なら可能だと納得しました。

映画は2時間程のものですからもちろん史実そのままではありません。ゾフィーがミュンヘンにやって来た時点で既にヴィリーがビラ製作に加わっていたり、いろいろな話をカットしつつ周辺の何人かの人物を一人にまとめたりしているようです。「白バラ」が処刑された主要メンバーだけだったように感じるかも知れません。なんとなく、アレックスの影が薄く、ヴィリーがハンスに次いで活動的な人物になっているように思えました。ドイツ語がわかれば印象もまた違うのでしょうね・・・。



余談ですが、ゾフィー役のLena Stolzeについて。彼女は『マーシェンカ』という1987年製作の英・仏・独合作映画にも出演していて、これを私は日本公開時に観に行きました。その時買ったパンフレットを読み直してみたのですが、そこには、

「1956年8月8日、ベルリンに生まれた。父はテノールのオペラ歌手、ゲルハルト・シュトルツェ。ウィーンの高校を卒業後、ミュンヘンの大学でドイツ文学と美術史を学ぶ。(中略)『白バラは死なず』『Fünf letzte Tage』(※)の2作で反政府の闘士ゾフィー・ショルを演じ、82年にババリア州から賞を受賞。83年にはフェデラル映画賞の金賞を受賞した。」

と書かれていました。『マーシェンカ』を観たときには彼女が『白バラは死なず』でゾフィー役をやった人だ、と知っていたのですが、他の映画(※)でもゾフィー役をやっていたというこの情報は今まですっかり忘れていました。この映画も観てみたい気がします。

※この『最後の5日間Fünf letzte Tage』は、2006年に東京ドイツ文化センター他で上映されました(2009/01/12追記)
(03/10/19追加情報) 

1985年秋、『白バラは死なず』の日本公開、『白バラの声−ショル兄妹の手紙』の発刊を機会にシンポジウムが開かれたそうです。雑誌「朝日ジャーナル」の1985年11月22日号にこのシンポジウムについての記事がありました。記事のタイトルは【シンポジウム・反ナチ抵抗運動『白バラは死なず』いま若者は本当に自由なのか】。内容は【「当時、日本の若者たちは何をしていたのか。いま、若者たちは本当に自由なのか。」「戦中派、安保世代、全共闘世代に現代の若者らが加わり、「若者と自由」を論じた。」】です。出席者は下記の通り。カッコ内は当時のものです。

山下肇(関西大教授、東大名誉教授、1920年東京生まれ。「わだつみ会」常任理事。)/小中陽太郎(作家。1934年神戸市生まれ、東大卒。著書に『私の中のベトナム戦争』。)/橋口譲二(写真家。1949年鹿児島市生まれ。鹿児島経済大中退。著書に『ベルリン物語』。)/山下公子(翻訳家、千葉大講師。1952年高松市生まれ。上智大卒。訳書に『魂の殺人』。)/辻元清美(「ピース・ボート」主催者。早大五年生。1960年大阪市生まれ。)/司会:筑紫哲也(朝日ジャーナル編集長)

いま(=1985年)がどんな時代だったのかがわからないと今(=2003年)読んでもふ〜んという感じかもしれませんね。同じ号にあった筑紫さんのコラム「多事争論」でも白バラについて書かれていました。


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